開発途上国と呼ばれる国で2年間生活を行いながら、その国の発展のサポートをする青年海外協力隊。
青年海外協力隊として東アフリカに位置する国、エチオピアで水泳の発展を支援するため派遣された僕が行った「水泳の普及活動」についてお話します!
本記事の内容
- 東アフリカ、エチオピアでの「水泳普及活動」について
- 普及活動を通して得たものとは?
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大学(びわこ成蹊スポーツ大学)卒業後 ▷ 教員として勤務 ▷ 青年海外協力隊、アイルランドへワーキングホリデーなど計3年半の海外生活を経験した後、地元沖縄にて水泳のインストラクターとして働きながらブログを運営しています。
エチオピア・水泳隊員として、エチオピアの水泳を発展させることを目的とし活動にあたっていた僕ですが、実際のところ当時の様々な状況が重なり「ほとんど水泳隊員としての活動」が行えませんでした。
しかし、協力隊として開発途上国に派遣されたので”無いなら無いなりの活動”を自分で作ろうと考え、水泳の普及活動を行いました。今回はその当時の様子などをお話させて頂きます♪
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Contents
1:水が無くても水泳隊員!?エチオピアでの水泳普及活動とは?
水泳隊員としてエチオピアでの活動がほとんどすることが出来ずの中、「何かエチオピアで水泳隊員として出来ることは無いか?」と活動を探していた際に、いくつかのきっかけからこの普及活動がスタートしました。
▽僕のエチオピアでの活動については以下の記事をぜひご覧ください。▲
【きっかけ①】:現地の幼稚園に訪問した時の事
水泳隊員として、なかなかプールを使用できず水泳の指導が行えない状況が続いていた当時、少しでも活動につながるきっかけやアイディアを見つけるため、僕と同じく青年海外協力隊としてエチオピアで活動を行っている隊員さんの活動先(職場)を頻繁に訪問を行っていました。
☑ 協力隊員が活動を行う幼稚園を訪問した際の事
訪問した幼稚園は、エチオピアではモデル校に選ばれるようなエチオピア内でも環境の凄く良い学校でした。
しかし、その幼稚園で何気なく始まった児童への絵本の読み聞かせ。その読み聞かせは日本で知っている先生が子供たちに絵を見せながらするものとは全く異なり、ただひたすら先生が本を音読して子供たちに聞かせるといった方法。
※絵本の絵を先生が児童に1度も見せることはありませんでした。
<エチオピアの園児たち>
その読み聞かせの風景に違和感と衝撃を感じた僕は、そこで活動を行っていた協力隊員の方に話を聞いてみることに…
すると、このエチオピアスタイルの読み聞かせの方法にその隊員さんも以前から違和感を感じていたとのこと。
【きっかけ②】:本屋さんで見つけた絵本
幼稚園の訪問以降、「絵本の読み聞かせ」を関連させた面白いことはできないのか?と考えるようになった僕。そんなタイミングで、別の協力隊員さんから「本屋さんに行ってみたら水泳に関する絵本が売っていたよ!」という情報を教えてもらう。
その情報を聞いた僕は、速攻で本屋さんへ…
そしてそこには「水泳がテーマの絵本」が販売されてしました。また内容も外国から輸入されたものなどではなく、エチオピアで発行された本。
そのため、内容のすべてがエチオピアの公用語であるアムハラ語で書かれたものであり、「これは使える」と直感で感じ即時購入。
<実際に購入した本>
幼稚園への訪問時から感じていた「絵本の読み聞かせへの違和感」+今回発見した「水泳に関する絵本」を組み合わせれば水泳隊員として面白い活動が行えるかもしれないと考えた結果…
本屋さんで購入した「水泳についての絵本」を近くの幼稚園などの学校で日本スタイルの読み聞かせを行う。
そうすることで、「水泳の普及活動」はもちろん、「エチオピアの方法とは違うスタイルの読み聞かせの方法を知ってもらう機会になるのでは?」と考えました。
「まずはやってみよう!」の精神からこの「絵本の読み聞かせ+水泳」の普及活動をスタートしました。
2:水泳の普及活動がスタート!失敗と成功体験。
「絵本の読み聞かせ」+「水泳」を組み合わせての普及活動をスタートさせましたが、結果的には全3回、エチオピアでこの活動を行うことが出来ました。
その後、エチオピアを離れてカンボジアへの移動をすることになったため、3回という回数ではありましたが、実際にはエチオピアでの活動の中で「1番しっかりと活動が出来た」と手ごたえを感じることのできた活動でした。全3回しかありませんが、その当時の様子をお話させて頂きます♪
▲エチオピアからカンボジアへ移動を行った理由については以下の記事をご覧ください▽
①:大失敗に終わった第1回目
第1回目の絵本の読み聞かせ
本屋さんで発見した「水泳に関する絵本」を幼稚園に持参し、購入した絵本そのままで読み聞かせを行った。
☑ 第1回目の結果:大失敗に終わる
理由
- 僕の準備不足(アムハラ語(現地語)の能力問題、絵本を読んでも発音等で子供たちに全く通じず)
- 絵本自体の内容が幼稚園生には少し難しい内容であった
- 子供が集中して聞ける時間をはるかに超える内容量の絵本であった事(30分以上読み聞かせに要す)
以上の理由などから、グダグダという言葉がピッタリな程大失敗に終わりました。
<読み聞かせ中の様子>
幼稚園で働く現地人の先生に手厚いサポートをしてもらい、どうにか会自体を終わらせることはできましたが僕のメンタルは傷心でした。しかし、絵本の読み聞かせ終了後に子供たちから「楽しかった」と笑顔の表情で言われたことが唯一の救いでした。
<楽しかった!と言ってくれた子供達に感謝>
②:第1回目の反省を踏まえて改善 ⇒ 再挑戦
第2回目の絵本の読み聞かせ
第1回目の活動を大失敗に終え傷心しましたが、「次回は必ず成功させたい」という気持ちから、第1回目の反省をもとに第2回目を行いました。
第1回目の反省点:
- 自分自身のアムハラ語(現地語)の能力
- 絵本自体の内容の難しさ・量
以上の2点が大きな反省点でした。
1回目の反省を活かし、2点の反省点から「自分で絵本を作成する」ことに
絵本を自作してみた理由として、必然的に自分が知っている範囲での現地語であるアムハラ語を使う事が出来るため「言語力の問題の解決」に繋がり、内容に関しても幼稚園児でもわかりやすい「シンプルな内容・量にすることが出来る」と考えたため。
<自作の絵本>
実際、自作の絵本が完成するまでには結構な時間(1カ月ほど)を要しましたが、どうにかこうにか作り終えることが出来、前回のリベンジを果たすためまた幼稚園へと足を運び読み聞かせ活動を行いました。
<第2回目の様子>
<水泳用品の紹介中>
☑ 第2回目の結果:前回(第1回目)よりはるかに好感触でした。
今回も幼稚園で働く現地人の先生に沢山助けてもらいましたが、前回の第1回目よりも子供たちの反応が凄く良く、全所要時間も20分ほどで学校のスケージュール的にも迷惑の掛からなず、子供たちの集中力も保たれたまま終えることが出来る最高の時間で行う事が出来ました。
<読み聞かせ中の子供達の様子>
③:第2回目の流れに乗り、第3回目も挑戦!
第3回目の絵本の読み聞かせ
第2回目に大きな手ごたえを感じたため、短いスパンで第3回目も行いました。
読み聞かせの終了後には、子供たち+現地人の先生たちとも交流を行えるほど親交も深めることが出来、凄く充実した時間を送ることが出来ました。
<第3回目の様子:子供達の元気に力を貰いました>
※残念ながらこの第3回目の読み聞かせ活動を最後に僕のエチオピアから移動することが決定し、第4回以降に繋げることはできませんでしたが、もしエチオピアにそのまま滞在を続ける場合にはこの絵本の活動で協力隊としての活動を本格的に行っていくつもりでした。
▲エチオピアからカンボジアへ移動を行った理由については以下の記事をご覧ください▽
3:絵本を使った普及活動から得たものとは?
青年海外協力隊としてエチオピアに派遣されたものの、思うように活動が行うことが出来ずの中、スタートした「水泳の普及活動」
幼稚園で絵本の読み聞かせを行うことになるなんて全く想像していなかったのですが、本当に沢山の方々に支えてもらいながら、エチオピアを去るまでの間に全3回行う事が出来ました。
しかしその反面、水泳という存在を知ったからと言って「プールに行って実際に水泳を行う事が凄く難しい状況」であるエチオピアにおいて、「水泳を知っていてもそれが出来ない」のにその知識を子供たちに教えることは「子供たちを悲しませるだけであり、かわいそうな事をしているのではないか?」という自分自身への疑問は最後まで拭えませんでした。
そのため「水泳の普及はさせたくても、積極的に行えない部分」も少なからず存在していたことも事実。
そんな一協力隊員の僕だけでは解決できない問題がある中で、この活動を継続できるまで継続してみようと思った大きな理由は【未来にかけてみようと感じたため】でした。
その未来がいつになるかわかりません。5年後、10年後、未来など来ないかもしれません。しかし、いつの日かエチオピアの状況が改善され水泳も普通に行える日が来た際に、「僕の読み聞かせを聞いた子供たちの中から1人でも水泳の事を覚えていてくれて、水泳をしてくれる子がいてくれたら...」という願いを込めてこの絵本での普及活動を行いました。
単なる自己満足に終わる可能性も凄く高い活動ではありましたが、「エチオピアでも水泳というスポーツが身近なものになるように」「子供たちの選択肢を1つ増やしてあげられたら」という気持ちがあったこそできた活動であったと思います。
それと同時に、この絵本の読み聞かせでの普及活動を行いながら関わってきた子供たちのキラキラした目で絵本の読み聞かせを聞いてくれる表情は今でも忘れないほど印象的であり、僕にとって凄く貴重な経験でした。
※このエチオピアで行った活動については、地元沖縄の地方新聞にも取り上げていただきました。
小さく閃いたパッと出のアイディアで決して人に誇れるものではありませんが、そんな閃きが誰かを助けるアイディアになったり、自分自身を輝かせるものに変化する可能性だってあります。「自分の閃きや感覚を大事にすることで、自分自身の可能性を広がるのではないか?」そう感じることのできた僕の経験でした。
小さなことで、人に誇れるものでなくても「やってみたい」と思えたことに挑戦してみることは決して無駄じゃない。失敗しても成功しても、「きっと自分の未来へとつながる大きな1歩」になるかもしれません。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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それでは
YOSHI@